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院長コラム 第2回 技術?知識?経験?
院長コラム第2回です。
歯科医師になって23年目、たべ歯科を開業して17年目に入ります。(注・4年前です)
思い返しますと色々な治療をしてきましが、今迄何回位、何人位の患者様の<治療>をしたのだろうと考えてみました。
抜歯、根の治療、差し歯。。治療にも色々ありますが今回はわかりやすく<入れ歯>を考えてみます。
自分が歯医者になって一体いくつ位の入れ歯を作ってきたのだろう?
もちろん研修医や勤務医時代も含めるので数はまちまちですが、仮に月に5個作ったとして年間60個。それが23年だと1380個。ちなみに上下の入れ歯は別別々に考えます)
これだとちょっと多すぎる感じがしますのでアバウトに減らして1000個位?
ちょっとこれでも多い気がしますがまあキリがいいので1000個としましょう。
正直そんなに作ってる感覚はないのですがそれでも相当の数です。
その入れ歯達はどうなってるんだろう。ちゃんとお役にたってるのか。
今も現役で活躍してるのか。
もちろん同じ患者様で作り直すこともしばしばありますし、もう年月が経ちましたから亡くなられた患者様もいらっしゃいます。
入れ歯自体をなくしてしまい、他の歯医者さんで作り直された方、入れ歯が馴染めないでインプラントやブリッジ等に移行した患者様もいらっしゃるでしょう。
でもはっきりと言える事は
(実を言うと入れ歯の本当の使い勝手や苦労が自分にはわからない)
という事です。
つまり1000個近く入れ歯を作ったとして、自分では1回も入れ歯を使った事がありません。
(まだ歯が全部あるもので当たり前ですが)
だから入れ歯の不自由さが自分では100%理解できないのです。
これから入れ歯を入れる予定の患者様に(入れ歯ってどうなんでしょう?)と聞かれた場合、
コレコレこういう部分がよろしく、こういう部分が不自由ですと<自分の体験>でお話はできません。
ではどうして入れ歯の利点欠点を把握するのか?
それは今迄の入れ歯を作らせていただいた患者様のお話を参考にします。
もちろん教科書や講習会の内容は参考にしますが、やはり自分の治療の経験に勝るお手本はありません。
専門医はすべて自分の専門の病気にかかった経験がある訳ではありません。
歯医者も然り。
患者様に教えていただき、経験を手本にします。
入れ歯を作り直す場合は今迄の入れ歯の使い勝手。どの辺りが不便か。
作った入れ歯はどこがどう痛いのか。どこを調節すべきか。
しゃべりにくいのか、噛み切れないのか。
この辺りは入れ歯の<先人>である患者様にご教授いただくのが何よりの勉強です。
そう考えてみると私はインプラントを打たれた事もない。
(私自身はインプラントを施術しませんが)
ブリッジも入れたことがない。
親知らずも苦労して抜かれた事がない。(元々1本だけしかなく、あっさりと抜けました)
差し歯も1本もないし、さほど大きな治療を受けた経験がありません。
ですから今迄の経験から患者様から伺った言葉がなによりの道しるべになります。
映画監督でもあり医師でもある大森一樹さんの作品で(ヒポクラテスたち)という医大生の青春を描いた映画がありましたが、原田芳雄さん扮するベテラン医師が(君たちには技術もない、知識もない、経験もない、あるのは若さだけだろ!)と手術見学でへばる学生達を叱咤するシーンがありました。
まだ25年くらい前に歯科大生だった私は面白おかしく見てましたが、今はこのシーンの意味がよくわかります。
技術は研がないと錆び付きますし、経験は無駄に重ねても厚くはなります。
歯科医師になって20年以上、まだ新人のつもりで居たらもう立派に中堅です。
(まだまだベテランではありません)
しかしまだまだ若いもんにゃ負けん!
より技術を磨き、より有益な経験を積みたいと思います。
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