たべ歯科クリニック・院長コラム２０

院長コラム 　第２０回　　ほんのちょっと萩原健一さんに遭遇

院長コラム第２０回です。

先日俳優の萩原健一さんがお亡くなりになりました。享年６８歳。

早すぎますね。

私の世代は（傷だらけの天使）の直撃世代なので

周りにもたくさんの（ショーケンファン）がおりますが

私は正直（傷天）はほとんど見たことがなく

どちらかというと（前略、おふくろ様）の方が印象に残っております。

出稼ぎで板前になった純朴無垢な青年を演じていたのが萩原さん。

はじめは萩原健一と萩本欽一と間違えて（欽ちゃんがドラマに出るの？）と

勘違いした記憶があります。

このドラマは倉本聰さんの脚本でしたが本当に面白く、切なく、

パート２まで全話見たものです。

最近youtubeで見返しましたがやはり面白い！

主人公のサブちゃん（萩原さん）が可愛いかすみちゃん（故・坂口良子さん）の猛アプローチに煮え切らないので、

こんな可愛い女性に対してハッキリしないのだろうと子供心に不思議に思ったものですが

今の年齢になって見返すとかすみちゃんも結構うざったいわけで。

（ショーケン）という自伝も読みましたが

かなり病気（健康を害する）という物を恐れてると書いてあり、

健康の為に毎日かなりの距離を歩いたりお遍路をしたり。

そんな萩原さんが１０万人に一人という奇病で亡くなってしまうのは無情というか

切ないですね。

太陽にほえろ！ではマカロニ刑事の無残な死に方で番組降板し、

傷だらけの天使ではズタボロになって粋がる。

演技自体が破滅型俳優さんという印象ですが

健康が心配で仕方がないというのは年月が人を変えるのでしょう。

このコラムは歯科コラムですので

ちょっと萩原さんと歯科の思い出を無理やりするならば

私はニアミスをした事があります。

今をさかのぼる３０年近く前ですが

私がまだ歯科大学病院に勤務中に

萩原さんが私の勤務する大学病院に受診されたことがありました

（家が近所だったらしいです）

ショーケンが来る！と知れ渡った時の歯科衛生士達の騒ぎっぷりはそれは大変なものでした。

外来の一般の患者さんに普通に混じって倍賞千恵子さんとソファ座られ大人しく順番待ちをされてました

とはいえ大学病院はそこそこ大きな病院ですから

各科の衛生士が大挙して萩原さんの診療台を入れ代わり立ち代わりに覗きに来ては

キャーキャーと奇声をあげてましたっけ。

当時の萩原さんの人気なら無理からぬ事です。

私の先輩が治療の担当でしたが、えらく大騒ぎになってしまい申し訳ないので

私は覗きに行きたいのをぐっと堪えて当巻きに見てました。

ですからレントゲン写真を見たとか

主訴が何だったかとかは完全にノータッチでした。

（でも受付で萩原さんの保険証はちょっとだけ見せてもらいました。）

後日、私が大学病院と研究棟を繋ぐ薄暗い長い長い廊下を一人で歩いていると

あちらからサングラスにスーツ姿の男性が颯爽と歩いてきました。

通院中の萩原さんで誰もいない長い長い廊下で私とすれ違いました。

多分病院の化粧室では騒ぎになるとの配慮から研究棟の化粧室を使った方がいいと病院で言われたのでしょう。

（前略おふくろ様・・・俺は今、萩原健一さんとすれ違ってる訳で・・）と妙に緊張したのを覚えてます

しかし診療室では穏やかでニコニコと温厚な対応をする紳士であり、

私の中では世間の言うお騒がせの萩原さんのイメージはありません。

リアルサブちゃんみたいな素敵な萩原さんでした。

謹んでご冥福をお祈りいたします。